『ニューシネマパラダイス』デジタルリマスター版年末公開
2005-10-26


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自分にとってもっとも特別な映画が再びスクリーンで見られることになった。

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89年12月16日封切り(※1)単館上映としてはいまだに破られる事の無い9ヶ月間連続上映、興行成績3億6,900万円を記録。
自分は完全にリピーターになって平均すると毎週劇場に通い、その後、拡大公開された関東県内の地方劇場に足を伸ばして見て回った。
「一番好きな映画」と簡単に片付けるにはそぐわない異常な思い入れがある一本。あの映画が帰ってくる!

※1(正確には同年11月30日に『「映画の日」前日祭記念イベント』で行われたシネスイッチ銀座の先行上映が本邦最初の一般公開。作品の時代背景にあわせて昭和29年当時にあわせて入場料金200円だった。)


リュミエール兄弟から数えて映画生誕110周年、シネスイッチの前身「銀座文化劇場」から50年、「シネスイッチ銀座」の名称になってから20周年と言う節目づくしの記念公開。どんな数字であれ口実になって再公開されるのは喜ばしい。
唯一気になるのがデジタルリマスター版のDLP上映と言うところ。
デジタルでお化粧直しした映像がハードディスクのデータから直接上映されるとは。
フィルムと言うメディアへの思い入れがにじむ映画をこのような形で再上映するとはなんとも皮肉だ。アルフレードならばさしづめ「コゲくさい」としかめっ面だろう。

デジタルリマスターのお色直しも作品にそぐわないのではないかと微妙な気持ちがある。
フィルムは退色するのが前提で、最初は濃い目にプリントされ見ごろは何週間か経過してからだと読んだ記憶がある。一本のフィルムの退色はゆっくりなので感じるほどではなかったが新しいプリントになった時、ビックリした記憶がある。
やや色が飛んだ感じが映画の内容にもマッチしていると思っていたのにニュープリントはロゴが毒々しいピンクにブルー、全体がギトギトしているように感じた。今回のお色直しも退色を補正するのに使われているようだけど、自分のイメージとは違うところに着地するのではないかとヒヤヒヤ。

そういえばこの作品が公開された89年当時は単館上映が増え、映写技師不足も話題に上っていた。いくつかの映画館をかけもちで切り盛りする技師は出だしと最後しか現れず、トラブルが起きると長時間の停止。仮にトラブルが無くてもピントがズレたら最後までそれっきり、そんなことが多発してファンは”そこにある映画界の危機”を思い知らされたものでした。
あれから15年、DLPなんてまだまだ未来のものだと思っていたのに。
DLPはフリーズからの復帰が難しいので常にフィルムも用意されていると聞く。DLP技師って職種があるのかどうかも知らないが、この目で映写室を覗いて進歩を確かめて見ようと思う。

闇雲に進歩を嫌う保守にはなりたくない。そういえばこの映画の初公開時購入したこの映画のアナログ・レコードが新譜としては最後のレコード購入になった。何の疑問もなくCDでサントラを楽しんでいる今の状態を考えるとフィルムもアナログレコードのような存在になるのでしょう。それぞれの良さを考えるためにも見比べねば。


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