ラセッター監督のプライベート・フィルム=映画『カーズ』
2006-07-04


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スピードや良いスポンサー、そして優勝が大切だった『カーズ』の主人公マックィーンが物語を経て大切だと気づくものは、この10余年で変化したアニメーションの世界が見つめなおすべき事であり、監督自身が求めた故郷の姿だと思えます。

(さて、ネタバレ版映画の感想です。)


レースの優勝を投げうっても助けるライバルと言う図式は、まるで現状を予見していたのかのようにも見えます。
今年1月にピクサーはディズニーに買収され、そしてラセッター監督はディズニーの「チーフ・クリエーティブ・オフィサー」に就任。クリエイティブな現場の監督として壊滅したディズニースタジオを助ける役をしています。
既に2Dアニメーションのスタジオは閉鎖され、『チキン・リトル』を自社3DCGアニメとして発表していたディズニースタジオ。
たとえラセッター監督が2Dアニメーション好きな人であるからと言って復活を期待するするのは楽観的すぎるかもしれませんが、気持ちはあきらかにあると信じています。
”勝利なんか要らない、もっと大切なものがある”
CGアニメの開拓者であり王者であると思われて当然のピクサーですが、決して望んだ訳ではない、そう思えるラストにファンとしては複雑な思いを抱くエンディングでした。

そしてエンディングテーマが有名なオールディーズの『ルート66』。明らかに子供の頃楽しんだTV番組の思い出を反映した選曲なのでしょう。
大切な物は時間も場所も越えた故郷にある、そう言ってるように思える『カーズ』の物語はジョン・ラセッター監督のきわめてパーソナルな世界を描いた小さな物語なのだと思えてしかたがありません。



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