『ボクノート』はアンサーソング?
2006-03-07


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映画ドラえもん『のび太の恐竜2006』の主題歌はスキマスイッチの「ボクノート禺画像]」。
想いを形にする姿を描写したしっとりとシンフォニックな曲は決して子供用のスタンスではありません。いつもどおりのスキマスッチでありつつ新境地にチャレンジした曲ということ、作曲の苦労は『もっと、ドラえもん5号』や劇場パンフレットの中で読むことが出来ます。

一見、ドラえもんの世界に関係ないようでいて、よく読むと関係あるようにも思える絶妙な距離感を保った詩は秀逸で、言葉のステップ感や韻を追求した日本語の面白さあふれる作詞。心の内を描いたパーソナルさは小さくまとまりそうなのにシンフォニックな音作りで気持ちよく高揚します。
駄目なドラえもんマニアは”愛に満ちた表情で”と言う言葉で「温かい目」を連想したりしそうです。(あ、自分か。)
そして、悩んでも諦めず言葉を捜す”僕”。その彼につまづき続けても諦めることなかったのび太をオーバーラップさせてしまいました。

そう思うと面白い発見が出来ます。26年前に『のび太の恐竜』の主題歌だった「ポケットの中に」のアンサーソングに聞こえてきさえするのです。
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武田鉄矢さん作詞のこの曲はドラえもん主観でつづられています。
ポケットの中に夢いっぱいの異世界があり、一緒に旅する期待を歌う。
”待っていたんだよ 気づいてくれるまで”
と、傍にいながら少年を待っているドラえもん。

そして、スキマスイッチ「ボクノート」では詩の最後に
”探していたものは目の前にあった”
と身近にある大切なものに気づくのがオチとなっています。
決して仕掛けられたギミックではないと思うけれど、同じ漫画を基に作詞をしテーマを追求した結果、共通したイマジネーションを感じるのはとても面白いものです。

メイキングを読むに”目の前にあった”のフレーズは最後の修正で生まれたものらしいです。
言葉を捜して悩む歌詞「ボクノート」は正に現場でのスキマスイッチ本人たちであるのはもちろんですが、紛れもなくドラえもんのイメージがハマり映画主題歌になっています。そんなマッチングの奇跡も感じられる主題歌です。
[エンタメ雑感記]
[ファンガ道]

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