これを“あんよ問題”という。
2009-10-24


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メディコムトイから、VCD(ヴァイナル・コレクティブル・ドールズ)の新作として「ドラやきだいすきドラえもん」が発売される。 標準価格(税込)4,725円。
 ドラえもんといえばどら焼き、どら焼きといえばドラえもん…というほど大好きなどら焼きを頬張る瞬間の最上の笑顔を見事に立体化!あぐらをかいた姿が可愛らしく再現されています。
(通販ページの解説文より。)
……どこがっ!?

“あぐら”の表現が完全に的外れ。(既に同義の内容はボヤいているので、不満の内容はリンク先で。)嗚呼、座り方で熱く語れるなんて、やっぱり自分は『ドラえもん百科』世代だなぁ。


リニューアル後のアニメでは以前の、足投げ出し座りではなく、きちんとこのあぐらをかくように進化。座る動作もアニメ化されていた。アニメの方が原作を理解してるのに、なんで原作を見て分かる事を理解できないのか。
過去にはバンダイ消しゴムやエポックのコミックテイストフィギュア『ドラえもんだらけ(A)』で普通に見えている足一つで立体化されているのだけど、なぜ間違った解釈で新たに定着させようとするのか……。
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今回のフィギュアがプライズとは違うメーカーなのに同じ間違いをしている点、前回のTAITOのフィギュアが予告から改悪の方向にいった時系列を見ると、前回の予想通りこれは監修側が間違ったリテイクを出しているのではないでしょうか。むしろ素直にイラストどおりの立体化をしたがっているのに、製品が出来上がる手前でかかるバイアスといえば……間違ったマニュアルを元にしている?

以前、アミューズメントの新作発表で似たような状況に遭遇しました。バンプレストで1998年にリリースされた『怪物くんソフビ貯金箱』。メーカーの人がいたので、声をかけてみました。久々の商品化は嬉しいけれど、タイツで赤くなっているべき足が肌色で、貧乏な子供になっちゃってると。商品開発者も作品のファンが多いようで、もちろん赤色で進めていたのだけど監修が肌色だと言うので、そんな状態になっているとの事だった。

カラー画稿で一度も肌色になんて塗られたケースなんて無いのに、なぜそんな事に!? 漫画を読みもしない人が、そんな権限を持っているなんて。脱力しきりでしたが、商品リリースされた時には正しい赤に直されていました。

後年、わかった事ですが間違ったスタイルシートが1994年に作られていました。それに従った指導をしていたと思われます。単行本を一冊でも見れば間違いだと気づける部分だったのが幸い……。

今回のドラえもんの足の間違い解釈がスタイルシートだとすれば、この先も繰り返されるでしょう。しかし、あえてこの解釈をしているという仮説も成り立ちます。
漫画やアニメーションと違って、前後関係がない一品の立体商品は、足がひとつしか見えないと不具者に見えかねない? そう危惧している姿も想像できます。そうなった場合クレームを受けるのは責任者。メーカーではなく、そんな表現をした原作にクレームが及ぶなんて想像するとしたら、もはや被害妄想レベル。でも、単純にクレームを嫌うといった理由は外れていないようにも思えます。なればこその、あえての誤読表現。

そんな理由で足を二つにしているならば、はなはだ見当違い。前後関係のない単行本の表紙だって使っている表現です。
足が見えないだけで消えて“失っている”と取る消費者なんかいないでしょう。なにしろ連載開始から約40年、いままで問題にされてなかったところを先回りする心配って……。
(グーにしたとき指が見えないディフォルメさえ嫌うケースに遭遇した自分には他人事じゃない。冗談で済まない。おっと、自分の思い出とオーバーラップして熱くなってしまった。話を戻して……。)


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[ファンガ道]

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