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昨年末に
新聞を賑わせたニュース、千葉大学から発掘されたという多数のディズニー作品のオリジナルアートの数々。1960年に行われた『動画芸術 ウォルト・ディズニー展』の開催後、ディズニー・プロダクションから学術研究の為に譲りうけたという250点の作品はいつしか忘れ去られ、長い眠りについていました。
オリジナルの催事を再現するべく準備が進められ、新たにディズニー本社からの貸し出し作品を加えてまれに見る大型展示となりました。
◆ディズニーアート展公式HP: [URL]
初日には宣伝番組をかねた特集番組がNTV系で放送されたのですが、いかにも日本テレビらしい展開で、宮崎駿監督や高畑勲監督も当時足を運んでいて影響を受けたかもしれないという触れ込み。
「それぞれのクリエイターに
は尊敬の念が消えません」
と、奥歯に何かを挟んだ宮崎駿監督のコメントにはニヤニヤさせられてしまうものでした。
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影響を受けた作品(好きな作品だったか。)を聞かれて、『メロディ・タイム/Melody Time(1948)』の中の「サンバは楽し/BLAME IT ON THE SAMBA」でのウォード・キンボールの仕事を挙げていました。
DVDボックス 禺画像]の発売に合わせて、言わされているのではないかと……。
コミカルな動きを得意としているキンボール作品を選ぶ姿は、意外な感じです。
さて、展示会場はしょっぱなに発掘された千葉大コレクションを持ってきています。250点の内、保存状態の良かった200点を展示とされていますが、それでも経年劣化はかなり見て取れて、改めてセルの保存は難しいと思う状態でした。(海外アニメーション雑誌に普通に修復屋の広告があるのも頷けます。)
ここにもあって、他でも時折見かけるのですが絵のある部分だけを切り取ってしまってるセルはどういう意図であの状態になってしまっているのでしょう……。
本社にもない品として特筆されている世界最初のフルカラー・アニメーション「花と木」のセル! ……は、むしろ拍子抜けの小ささに、彩色の大雑把さ(汗)。
やっぱり、自分にとってはペンシルとストーリースケッチの方が素直に感動できました。特に好きな作品は別格の興奮があります。
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新聞の記事の時から楽しみにしていた『わんわん物語』のストーリー・スケッチ!これでしょう、と近寄ってみるとTV放送のメイキング番組用に新たに描き下ろされたものと判明。えぇえぇえぇえぇ〜!?。
同時代の別バージョンという意味で本物だし、貴重なんですが製作過程で実際に使われていたものを想像していたのでちょっと力みすぎました。でも、絵のクオリティは再生産とは思えない軽快さ。描線と彩色の走り方がとても良かったです。
コンセプトアートの名手として紹介されるメアリー・ブレア作品群。『ピーターパン』『ふしぎの国のアリス』などが紹介されていました。
以前から洋書のディズニー関連のアート本で見かける人ですが、この規模は初体験。時代が一周して今風(正確には今、流行っているレトロ)になっているのが興味深いです。時代を越えた色使いの巧みさに感心させられました。
そして”これでもか”と言うほどの作品点数を備えた『眠れる森の美女』にまつわる作品群! それもそのはず、オリジナルの展示は当時の最新作であるこの作品のプロモーションもかねていたのだから。
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